入院初期は信頼関係を構築しよう

患者が入院する際には、病院という慣れない環境や、今まで普通にできていたことができなくなるといった戸惑いを感じていることが多いです。また、疾患に対する不安や心配など、さまざまな感情も抱えています。そして、精神的な疾患がある場合には、特殊な環境による行動制限や持ち込み制限などが加えられる傾向があるため、制限に対する不便さや不安を抱くこともあるでしょう。
さらに、精神科では患者の同意が得られないままの入院もあるため、本人がなかなか入院治療に向き合えないこともあります。それを踏まえたうえで、患者が抱える葛藤や不安を受け止めながら看護ケアを実践していくことが大切です。加えて、患者が安心して入院生活を送れるような関わり方を検討することも欠かせません。

そのためには、患者に見守っているという支持的なメッセージを伝えたり、患者からの質問にどんなことでも丁寧にわかりやすく説明したりすることが大切です。その際、患者が誰に相談すればいいのかわかるように、シフトの受け持ちは誰なのかを説明しておきましょう。それだけではなく、日々のスケジュールを伝え、1日をどのように過ごすかを一緒に考えていくことも、入院の初期段階では特に重要な関わりになります。
急性期は病的体験に支配され、易刺激的状態になる、あるいはすでにエネルギーが枯渇している状態が考えられます。患者の自我状態も脆弱であるため、看護師は患者を脅かす存在ではないことを理解してもらえるように、ケアを継続していくことが大事です。